
[ この記事で分かること ]
発音トレーニングを始める前と後でどんな変化があったのか?
講師の解説(変化のあったポイント、改善アドバイス)
音声分析の専門家の解説(波形データで見る変化と特徴)
この記事では、英語発音矯正塾の各講座を受講した受講生の約半年間での発音の変化を、実際に指導した講師の田中えりか、そして日本音響研究所所長 鈴木創氏による音声分析の観点から解説します。
典型的なカタカナ発音が、Afterでは英語の特徴を捉えた発音に。Y.Wさんから頂いたコメントもご紹介します。
※本記事では、この動画でも解説している受講前後の変化に加え、受講生本人のコメントも紹介しています。
【発音矯正ビフォーアフター】講師コメント&音響分析の専門家の解説つき!約半年間で見えた受講生の変化を公開【英語発音矯正塾】/英語発音矯正塾公式YouTubeより

1.Y.W.さん 中3で発音トレーニング開始
1-1. きっかけはリスニングが苦手だったこと
Y.W.さんは、中学3年から高校1年にかけて約半年間、【初級講座・中級講座・上級講座】(現スタンダードコースLevel 1~5に相当)を受講しました。
受講のきっかけは、
「中学での英語の成績があまりよろしくなく(^^;)、特にリスニングが悪くて、どうにか上げようと思ったからです。」
とのこと。以前、彼のお父様にもご受講頂いており、発音矯正の効果をご存知だったのです。
全コース修了後に感想を伺うと、
「楽しかったです。セミナーで、発音した単語や文章に得点が付き、それで『苦手な発音を次こそは攻略してやる』などと思えたり、ゲーム感覚でできました。」
と、発音トレーニングを楽しんでくれたようです。
1-2. 発音トレーニングの成果は?
トレーニングを始める前のY.W.さんの読み上げる英語は、典型的なカタカナ発音になっていました。
ところが、初級講座(現スタンダードコースLevel 1,2)で学ぶ単音から丁寧に段階を追って、中級・上級講座(現スタンダードコースLevel 3,4,5)へ進み、音の組み合わせ・単語・文章の発音を学んだ結果、
学校のネイティブの先生に発音を褒められたり、成績もアップするなどの効果を実感できるようになりました。
たった26週間で、本人も学校の先生も、変化を実感できるレベルに成長できたのです。
1-3. トレーニング前後の音声を比較
では、受講前と後でどんな変化があったのか比較してみましょう。
発音トレーニングを開始する前と修了後に、以下の同じ文章を読んでもらいました。
課題文:” What do you think about this? ”
(これについてはどう思いますか?)
この文章中で、日本語に無い音をハイライトすると以下の通りです。
What do you think about this?
[ wʌt du ju: θiŋk əbáut ðis ]
これらの音が正確に発音できていることが、通じるか否かの別れ目になります。
さらに、リンキング(音と音の繋がり)やイントネーションも重要なポイントです。
まずは、BeforeとAfterを聴き比べてみましょう。
Before
After
いかがですか?
伸び代はまだありますが、一つひとつの音を丁寧に発音できるようになり、
全体的にも滑らかに言葉を繋ぐことが出来るようになりました。
高校生の段階でここまで発音できていれば将来の期待値も高いですね。
とは言え違いが分かりづらいという方もいらっしゃるかと思いますので、
次の章から専門家の意見を交えて詳しく解説していきます。
2.発音矯正のプロが解説
英語発音矯正塾講師 田中えりか が発音を解説
では、英語発音矯正塾講師の田中えりかが、発音矯正の観点から解説します。

Beforeと比べてAfterでは、それぞれ主に3つのポイントが大きく改善されています。
Before :カタカナの発音で通じない音が多かった |
① think → シンク 子音の発音が日本語の発音になっている ② about → アバウトォ 余分な母音がついている ③ this → ディス 「TH゙」の音が、どちらかというと「D」に近い音になっている |
After :口の動きや音圧が改善され、通じる発音になった |
① think → [ θíŋk ] THの口の形ができており音もしっかりと出ている ② about → [əbáut ] 不要な母音が無くなり、次の単語(this)とのリンキングも◎ ③ this → [ ðís ] 「TH゙」の口の形が出来ており、通じる音が出ている |
単音単位でみてもカタカナ的な発音が大幅に減り、英語の口の形や音をしっかり再現できていました。
また、全体のイントネーションやリンキングなどの音の繋がりも向上し、
より英語らしい、滑らかで通じやすい発音になりました。
3.音の専門家が解説
3-1. 日本音響研究所 所長 鈴木創氏による分析
日本音響研究所は、刑事・民事事件の声紋鑑定や映像作品の監修など「音」に関する分析に長けており、所長の鈴木氏はテレビ番組の出演も多数され、幅広く活躍する音響解析のプロフェッショナルです。

英語発音矯正塾by教え方研究所は長年にわたり日本音響研究所の協力を得て発音の分析を行ってきました。
*鈴木氏のインタビューはこちら
そんないつもお世話になっている音研さんに、
今回はY.W.さんのBeforeとAfter でどのような変化があったのか、実際に音の波形をとり分析していただきました。

音を波形で比べると、
・ イントネーション
・ 子音の発音
・ 音圧レベル
に変化が見られました。
Beforeの波形は音と音の間に隙間が多く、音が途切れがち(=リンキングがない)でしたが、
Afterでは音が繋がり、波形の幅や形などにも違いが出たことが見て取れます。
これらの違いについて、さらに細かく4つの観点から具体的に伺いました。次の章から解説します。
3-2. 波形にも表れた変化
①英語特有のナミナミとしたイントネーションに

まず、イントネーションに注目すると、
Beforeでは1音ずつ発音する日本語のように、ブツブツと途切れていましたが
Afterではナミナミと変化していく英語の特徴を捉えて、波形も滑らかに繋がっています。
それぞれの音を繋げることができれば、リンキングもよりスムーズにできるようになります。
②子音をしっかり発音

出だしの子音[W]の発音は、
Beforeでは0.04秒 [ ワッ ]とほんの一瞬しか発音していなかったのに対し、
Afterでは0.47秒 [ wʌ́t ]とおよそ10倍の長さでWを丁寧に発音できているため、より聞き取りやすい(伝わりやすい)発音に変化しました。
③[ す ] ではなく [ s ]
![[ す ] ではなく [ s ]](https://static.wixstatic.com/media/56b1df_3260e6bcdd984c759aa8ce0d0cabe9fa~mv2.png/v1/fill/w_928,h_260,al_c,q_85,enc_avif,quality_auto/56b1df_3260e6bcdd984c759aa8ce0d0cabe9fa~mv2.png)
これは、文末の単語 "this" の最後の "s" の波形です。
Beforeでは日本語の[ す ] のような太い音になってしまっていましたが、
Afterでは余分な母音も入らず、より繊細に子音の[ s ]だけの発音ができていました。
④全体的に息が強くなりより英語らしい発音に

英語は日本語よりも息を強く出し音圧をかけて発音する特徴があり、
腹式呼吸を使いながら、口で音圧を溜めて発音するなどの調整ができるとかなり英語らしくなります。
Y.W.さんの全体的な波形を比べてみると、Afterの方が高い周波数の音が増えていることがわかりました。
これは息が強くなり、音圧レベルが上がったことを意味します。
耳で聞くだけでは音圧の変化は分かりづらいこともありますが、波形で見ると一目瞭然ですね。
このように、波形を分析すると受講前後で明確な変化があったことが分かりました。
次の章では、Y.W.さんが改めてどんな成果を感じているのか、頂いたコメントを紹介します。
4.Y.W.さんにききました
実際にご本人はどんな成果を感じているのか、Y.W.さんからいただいたコメントを抜粋してご紹介します。
発音を改善したことで、リスニング(聞き取り)も良くなりました。 学校のテストのリスニング問題での失点がほぼ無くなり、 英検の面接では、面接官の話したことを問題なく聞くことができ準2級に合格しました。 |
また、単語を早く覚えられるようになりました。 単語を見て正しい発音をしながら書いたら、今までよりももっと早く覚えられ、忘れにくくなりました。 |
今までは、発音をまったく意識せずにやっていたけれど、今回発音矯正を行ったことにより発音の大切さを、身にしみて感じました。英語を行う上で発音はとても重要だと思います。 |
*すべてのコメントはこちら の記事で紹介しています。
最後に
当初は、いわゆる典型的なカタカナ発音になっていましたが、
学校教育での『発音』指導はあまりなく、これが一般的な日本の英語発音レベルといったところではないでしょうか。
自身が発音できる音は聞き取れるようになり、またもちろんネイティブにも通じるようになるので、
インプット/アウトプットがよりスムーズに活発に行うことができるようになります。またそれは、
『聞き取れる・通じる→もっと話せる・話したい→もっと知りたい…』という好循環の始まりでもありますから、
正確な発音が早いうちにできるようになったというのは、
今後の英語人生が変わると言っても過言ではないほどの大きな成果といえるでしょう。
Y.W.さんにはこれからも、楽しみながら英語を学んでいただければと思います。
英語発音矯正塾講師・スタッフ一同、将来を楽しみに応援しております!
本記事では、Y.W.さんの約半年の発音トレーニングの成果について、発音矯正のプロと音の専門家の視点から解説してきました。
総合すると、以下のような変化が見られました。
Before
・カタカナでの発音で通じない音が多かった
・日本語のように1音ずつが途切れていた
・音圧が弱かった
After
・口の動きや音圧が改善され、日本語に無い子音なども通じる発音に
・それぞれの音が滑らかに繋がった
・音圧レベルが上がった
短期間で、これだけの改善がみられました。
発音ができていれば、上述の通り英語のインプット/アウトプットがより活発に行えるようになります。
これから受験勉強や留学などいろいろな可能性がある中で、
中学3年生~高校1年生というタイミングで『発音』を学ぶことで、
Y.W.さんの今後の英語学習の進度・深度ともにより早め深めることができたと信じています。
もちろん大人になってからでも遅いということは全くありません。
発音矯正は顔・口の筋肉トレーニングですから、いつから始めても正しい方法を知っていれば必ず改善できます。
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